Crosby Street Loft
収納スペースや壁等によりプログラムが鮮明に分担される一般的ニューヨークの住居スペースは私たちが想像するロフトの空間概念とは程遠い。クロスビープロジェクトの課題は必須プログラムや収納スペースを維持しながらもロフト本来の開放性を導入することで流動的な空間を構築することにある。ロフトスペースで行われるイベントにより大きな折り畳み式ガラスドアや可動式ストーレッジ、プラットフォームストーレッジの使用を介して空間を分けプライバシー等も設けることができる。
クライアント夫婦の空間交渉をユニークな形ではかるため、異なるプログラムは本来の配置や使用関係に反し異なる空間へこぼれるような形式で配置させた。バスルームのシンクをベッドルームへ配置し、キッチン音楽室は思い通りの使用方法で拡張可能にする。隠される収納スペースはあえて表向きに配置させプログラムのフラット化を図った。これによりロフト前後の窓からの自然光、そしてスペースをも満遍なく空間の奥まで浸透させオープン性を強調した。